不動産の売却を考えているものの「そもそも不動産を売却すべきなのだろうか?」「売却するとしたら現在は不動産を売却するのに適したタイミングなのか?」と悩んでいる方は少なくありません。不動産の売却のタイミングについて「物件」「オーナー」「不動産マーケット」の3つの視点から解説します。今回は、第2部「オーナー」に着目した売却のタイミングについてみていきましょう。
オーナー自身やご家族の年齢、ライフスタイルの変化に伴い、セカンドライフに向けて、脱大家、相続や事業承継を考えるタイミングがあります。
子どもの進学・留学や家族の入院・手術、有料老人ホームへの入居等、プライベートで資金が必要になったときやこれまでのライフスタイルを変えたい場合、ご所有不動産の売却を検討するタイミングのひとつです。
収益不動産オーナーの中には賃貸部分とオーナー住戸を併用させた賃貸併用住宅をお持ちの方も少なくありません。
このような不動産を売却することにより得た資金で希望通りの新たなセカンドライフを手に入れることができることがあります。
最近ではシニアサービスレジデンスへの入居を決める方もいらっしゃいます。介護が必要になったときに子どもに迷惑をかけたくないと考え、定年後まだ健康が維持できているタイミングから都心でセカンドライフを楽しむ方が増えているのです。
たとえばパークウェルステイト西麻布は東京都港区西麻布の都心に立地し、食や健康、生活サポート等さまざまなサービスが準備されています。さらに医療・介護トータルサポート体制も充実しています。このように都心でセカンドシニアライフを満喫される方や、一方で、温泉や旅行、釣り、ゴルフ等の趣味を含めたセカンドライフを楽しむために、地縁のある故郷の近くに引っ越しを決める方もいらっしゃいます。または子どもの住んでいるエリアに近居する方もいます。今セカンドライフの選択肢はひろがっています。若いときからアーリーリタイアをするFIREという生き方もあります。あなたの本当に望むライフスタイルをあなたとともに考えてくれるパートナーはいるでしょうか。セカンドライフや住み替えに関し、買い替え先まで十分フォローしてくれる不動産会社を選択することが大切です。
収益不動産を保有するということは、管理の手間や費用のみならず、精神的負担もあると多くのオーナーは感じています。「今後、賃料が減少したらどうしよう。」「修繕コストが年々あがっている。」「子どもたちが承継してくれるだろうか。」「自分が若いうちは管理できるけど老後はどうすればいいだろうか。」「相続時に子どもたちがもめないだろうか。」と悩みがつきません。
解決策として、一部の物件を売却して業務対応すべき不動産を減らすことや、すべての不動産を売却して大家業から引退することが有効です。いわゆる「脱大家」です。しかしいきなり脱大家では、「今までの収益物件による収入もなくなるし、不安・・。」という声も少なくありません。その場合、まずご自身のお悩みが何なのか整理してみましょう。
まず賃貸管理が煩雑で手間という場合は、サブリースという管理方法があります。収益性は若干減りますが、不動産会社に一括賃貸することにより、細かな入居者対応が不要となります。また、管理のしやすい不動産に組み替えるという方法もあります。
また脱大家のため売却したいと思っていても、病気をして入院するなど、高齢者となり認知症になってからでは売却すること自体が困難になる場合があります。売却のタイミングとしてはご自身が健康なうちに行うことが大切です。
親の世代はご所有不動産をそのまま子どもに相続、事業継承をしたいと考えているものの、子の世代が不動産の相続や事業継承を拒否している場合どのようにすればいいでしょうか。ご所有不動産についてオーナー本人はその不動産について熟知していても、子どもはサラリーマンであったり、または他の事業を行っている場合もあります。その場合、収益不動産を承継して、借入金などの負債を負ったり、老朽化対策を子どもが行うことを望まない場合があります。このような場合どのような資産を次世代に承継すべきか、考える必要があります。
たとえば兄弟で共有している不動産があれば次世代に承継する前に売却などにより共有解消を行わないと、次世代になり関係者が多くなり、より共有解消が難しくなります。そのような場合は承継前に売却して共有解消することが望ましいといえます。
相続人3人に対し収益不動産が1つの場合、相続人3人で共有での相続となる可能性があり、次世代に新たな共有問題を生じさせる場合があります。相続人の数と相続物件のバランスが悪い場合は、相続発生前に売却や組み替えを検討したほうがよいでしょう。たとえば3人の子どもがいる場合は、親世代が相続発生前に一棟マンションを同等の3つの区分マンションに組み替えておけば、相続発生後、次世代に均等に相続することができます。また相続発生前に一部不動産を売却して、子ども世代が資金が必要なときに、住宅資金贈与、教育資金贈与などの非課税贈与を行うといった対策が有効な場合もあります。
ただ相続で受け継いだ資産を自分の代で売却したくないというオーナーも多くいらっしゃいます。しかし平成27年の相続税法改正により相続税の基礎控除は、改正前は「5000万円+1000万円×法定相続人の数」でしたが、改正後は「3000万円+600万円×法定相続人の数」になり相続税の課税対象は拡大し、さらに相続税率もひきあげられました。
万が一、相続発生後、手持ちの納税資金がなく相続税の現金納付ができない場合には、納税期限までに売り急ぎ不本意な売却になってしまうケースや物納となってしまうケースもあります。納税対策として相続発生前に一部不動産を売却し納税資金を確保したり、また事前の相続税対策により残したい不動産を残すためにより積極的に買い替えや相続税対策を行う必要があります。
いずれにしても相続は、親世代と子世代、当事者間同士では話しにくいこともございますので、そういった場合は不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
まずは、お気軽にご相談ください。