2022/8/18 市況

不動産売却に適したタイミングは?|売却のタイミングを徹底解説 第1部

家の売却

不動産の売却を考えているものの「そもそも不動産を売却すべきなのだろうか?」「売却するとしたら現在は不動産を売却するのに適したタイミングなのか?」と悩んでいる方は少なくありません。不動産の売却のタイミングについて「物件」「オーナー」「不動産マーケット」の3つの視点から解説します。今回は、第1部「物件」に着目した売却のタイミングについてみていきましょう。

「物件」に着目した売却のタイミング

家の売却

「物件」に着目した場合、立地や築年数、構造、維持管理状況、稼働状況や利用状況によって、売却のタイミングを検討する必要があります。

【事例1】建物の老朽化にともない大規模修繕など今後の費用の増加が懸念される場合

家の売却

建物の老朽化にともない大規模修繕を行ってそのまま保有するか、大規模修繕を行う前に売却するか悩まれるオーナーは少なくありません。
建物はその築年数に応じて維持管理、修繕が必要です。建物の築年数が10年、20年、30年と経過し建物の老朽化が進むと、大規模修繕工事が必要です。大規模修繕工事では、外壁塗装や屋根改修、屋上防水、エレベーター更新、機械式駐車場改修、給水ポンプ交換、給排水管交換等さまざまな部位の改修工事を行います。

各部位の大まかな修繕時期の目安と工事内容は下表の通りです。

修繕時期の目安工事内容
4~6年手すりなどの鉄部の塗装☆
駐輪場屋根塗装
10~12年外壁塗装☆
外壁タイル改修☆
シーリング改修☆
屋根改修☆
屋上防水改修☆
廊下・階段改修
庇防水改修
バルコニー改修
20~30年エレベーター更新
機械式駐車場更新
水槽・ポンプ更新
給排水管更新☆

☆:重要部位

大規模修繕は不動産によっては数千万円ものコストがかかり、またこれらの投下資本回収には時間がかかり、借り入れを行う場合はオーナーに投下資本回収リスクもあります。また共用部の大規模修繕のみならず、専用部分も、賃貸における競争力を維持するためには築年数に応じた設備更新が必要です。大規模修繕等を行う場合は周辺の賃貸物件のマーケット調査や専門家の意見を聞いて行わないと、大規模修繕を行ったものの、投下資本を回収できないことも起こりえます。周辺物件と比較して仕様が下がり相対的に商品力が低下すると賃料の減額につながりますが、かといって大規模修繕費用に過度にコストをかけすぎても収益性とのバランスで事業として損失を生じる場合があります。

不動産鑑定評価においては、不動産を現時点において再度作るためにはいくらかかるかで評価する費用性という考え方があります。費用性からアプローチして価格を算定する方法を原価法といい、原価法によって算定される価格が積算価格です。

建物の積算価格は、新たに調達した場合の価格(再調達原価)から、経過年数や維持管理状況にもとづく減価分を控除(減価修正)して算定します。

したがって建物の築年数が経過しても必要な修繕工事が行われていないと、減価修正による減価分が大きくなり積算価格が下がってしまいます。たとえば漏水が発生している場合やエレベーター等の設備に不具合が生じている場合、積算価格は下がるでしょう。融資においては収益性に着目した収益還元法による収益価格だけでなく積算価格も考慮されます。 そのように考えると単純に積算価格の高い築浅の段階で売却を検討するのも一考です。

また、築年の経過にともなう大規模修繕を行う場合にも不動産会社に相談して適切な大規模修繕かどうか検討するとともに、大規模修繕を行い保有し続けた場合と、現時点で売却した場合とを比較検討する必要があるでしょう。

築年数が古く賃料もあがらない物件のためにどこまでコストをかけるのか、たとえば賃料が年間収入1,000万円の場合で大規模修繕費が2,000万円となれば丸二年はタダ働きになります。そこに退去による原状回復費などがかかってくると更に収支が悪化します。その点も考慮して保有するのか、売却をするのか検討する必要があります。老朽化が大きく進んでしまった場合には、そもそもその物件に資本投下するよりも売却して他エリアの他の収益物件に資本投下した方がよい場合もありますので物件の現状について見極めが必要です。

【事例2】ご所有不動産が低稼働・低利用の場合

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老朽化に対して大規模修繕を行わず空室率が高くなってしまった不動産、遊休地となっている空き地建物が建築されていない低稼働・低利用の不動産はありませんか?

不動産鑑定評価においては、不動産を利用することでどのくらいの収益が得られるかで評価する収益性という考え方があります。収益性からアプローチし価格を算定する方法を収益還元法といい、収益還元法によって算定される価格が収益価格です。収益還元法による価格算定をする場合、低稼働・低利用物件は収益性が低い状態のため収益価格が下がってしまいます。

このような収益還元法の考え方によると、賃貸マンションは収益物件として売却する場合には収益率の高いうちに売却した方が収益物件として高値で売れる可能性があります。ただ、空室になってしまった賃貸マンションでも立地によっては積算法よる積算価格が高い不動産がありますので、このような不動産は賃貸マンション用地や戸建用地などの開発用地としてディベロッパーに高く買い取ってもらえる場合があります。
自宅に広すぎる大きな庭がある場合や自宅の隣地に空き地がある場合でその活用に悩んだときは、不動産会社に相談してみましょう。

低稼働・低利用物件は、収益性をあげる事業への転換を検討するのも一考です。たとえば自宅が広すぎる低利用物件の場合には、土地の一部を分筆し賃貸マンションを建築してマンション経営を行うことで、収益性をあげられる場合があります。 しかし事業転換するためには物件に適した建物を建築するノウハウが不可欠で、事業化のためには多額の長期ローンを借り入れするリスクもあります。

このような大きな事業リスクを取りたくない場合は、売却も一つの選択となります。
売却した現金を老後資金に充当するケースや、また新たな借り入れをすることなく売却資金の範囲内で管理のしやすい他の不動産に買い替えて、管理の手間を軽減させたり、収益性を改善させるケースもあります。近年、買い替えに関しては、一棟ビルのような多額の大規模修繕が一度にかかるものではなく、都心の区分マンションのような資産価値が安定しており、管理費と修繕積立金など管理コストが明瞭なものが買替物件として人気があります。

なお、低稼働・低利用の場合、他にも問題がないか検討すべきでしょう。たとえば全空室になってしまった場合など賃貸による相続税評価減が得られなくなっている可能性があります。また所有する土地が広すぎる場合はそもそも相続税評価額が高くなって多額の相続税がかかり、手持ちの現金だけでは相続税を支払えなくなるおそれもあります。低稼働・低利用の場合は現在の資産を見直す必要があります。資産の有効活用や売却などを不動産会社に相談すべきタイミングといえます。

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